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Medicareを二次支払者として請求する方法と手順

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Medicareが二次支払者になる場合の請求は、一言でいえば「先に一次保険者へ請求し、その審査結果を添えてMedicareへ請求する」という流れです。この記事は、米国の医療機関や医療事務の担当者が、誰に先に請求し、何を揃えてMedicareに提出するのかを順番に確認できるよう、CMS、Medicare.gov、Medicare契約機関であるFirst Coast Service Options(FCSO)の公式情報に基づいて整理したものです。なお、内容は主にOriginal Medicare(Part A・Part B)の案内が中心です。個別の請求の可否や詳細は、担当のMedicare契約機関にご確認ください。

この記事のポイント
  • MSPとは、Medicareより先に支払い責任を持つ保険者や機関がある状況のことです。
  • 先に一次保険者へ請求し、審査後に全額が支払われなかった分についてMedicareへ請求します。
  • Medicareへの請求額は、一次保険者に請求した額と同じにします。
  • 120日という基準は条件付き支払いの話で、通常の二次請求の待機期間ではありません。
  • EOBがあってもMedicareが残額の全額を支払うとは限りません。

Medicare二次支払者(MSP)とは何か

Medicare Secondary Payer(MSP)とは、Medicareよりも先に支払い責任を負う別の保険者や機関が存在する状況を指します。CMSの案内では、Medicareに請求する側が支払いの順番を確認する責任を負うとされています。

ここで注意したいのは、「他の保険がある」という事実だけでは、Medicareが二次になるとは限らない点です。年齢、障害、末期腎不全(ESRD)、雇用状況、保険の種類などによって順位は変わります。順位が分からないまま請求を進めると、手戻りの原因になります。

一次・二次という基本的な考え方や、患者の残額負担が生じうること、保険に変更があった場合の連絡先については、Medicare.govの「How Medicare works with other insurance」で確認できます。

ステップ1 支払い順位をどう確認するか

最初の作業は、診療の時点で患者に他の保険や補償の有無を確認することです。CMSの案内では、医療提供者は次のような他の補償について確認する責任があるとされています。

保険情報を確認する医療事務担当者
  • 患者本人、配偶者、家族の雇用主団体保険
  • 労災(労働者災害補償)
  • 自動車保険や賠償責任保険など、事故に関連する補償

受付での確認項目は、次のように整理しておくと漏れを防げます。

  • 他の保険者の名称
  • 証券番号と加入者の氏名
  • 保険の種類(雇用主団体保険、労災、自動車保険、賠償責任保険など)
  • 今回の受診が事故や労災に関連するかどうか
  • 保険に変更があったかどうか
受付で他の保険の有無を確認する書類

Medicare Advantageなどのプランに加入している患者の場合は、そのプラン固有の請求手順も確認が必要です。

ステップ2 一次保険者に先に請求する

Medicareが二次と判断できたら、まず一次保険者に請求します。一次保険者が審査を行うと、その結果を示す書類(EOB。Part Aの文脈ではRAと呼ばれる場合もあります)が発行されます。この書類は、次のMedicareへの請求で添付する大切な資料です。

一次保険者への請求書類を整理する様子

一次保険者が一部しか支払わなかった場合や支払いを拒否した場合も、EOBには拒否や支払いのコードの説明が含まれている必要があります。具体的な扱いは状況によって異なるため、迷う場合は担当のMedicare契約機関に確認してください。

また、一次保険者が複数ある場合は、各保険者のEOBの提出が必要になることがあります。

ステップ3 Medicareへ二次請求を出す

一次保険者の審査が終わり、全額が支払われなかった場合に、Medicareへ紙または電子で請求を提出します。たとえば、雇用主団体保険が一次で、その審査後に請求の一部が未払いだったとします。この場合、請求額は一次保険者に出した額と同額のままMedicareに請求し、一次保険者のEOBなどのMSP情報を添えます。

二次請求の内容を確認する担当者

FCSOの案内では、Medicareへの請求額は一次保険者に請求した金額と同じにします。一次保険者が支払わなかった残額だけを別に請求する方法は、この案内とは異なります。

また、EOBがあるからといって、Medicareが残額をすべて支払うとは限りません。保険の対象かどうかや支払額は、Medicareの審査によって決まります。

Part B(CMS-1500・電子請求)の入力ポイント

Part Bの請求では、診療時点で保険情報を確認したうえで、請求の方法ごとに次の点を押さえます。

紙の請求書にEOBを添付する場面
  • 紙請求(CMS-1500):一次保険者の名称と証券番号を記載し、一次保険者のEOBの写しを添付します。
  • 電子請求:処理に必要なフィールド、ループ、セグメントに、一次保険者の支払い情報を入力します。

電子請求の具体的な入力位置は、使用する請求システムや契約機関の案内に従ってください。

EOBに必要な記載事項チェックリスト

提出前に、添付するEOBに次の項目が揃っているか確認します。

EOBの記載事項を点検するチェックリスト

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  • 一次保険者の名称と住所
  • 加入者の氏名と証券番号
  • サービス提供者
  • 項目ごとの請求額
  • 拒否コードや支払いコードの説明
  • 診療日

一次保険者が複数ある場合は、それぞれのEOBについて同じ確認を行います。

Part A(機関請求)の流れ

Part Aの機関請求では、MSPに関する情報を、条件コードや発生コードなどを使って提出します。提出方法は、電子の837I、FISS/DDE、または要件を満たす場合のCMS-1450(UB-04)です。紙で提出する場合は、一次保険者のRAまたはEOBを含めます。

機関請求のデータを入力する病院の請求部門

Part AとPart Bの違い

請求書式や情報の渡し方が異なるため、自分の請求がどちらに当たるかを先に確認しておくと混乱を防げます。

比較項目 Part B Part A
紙の請求書式 CMS-1500 CMS-1450(UB-04)(要件を満たす場合)
電子請求の手段 電子請求(必要なフィールド・ループ・セグメント) 837I、FISS/DDE
MSP情報の渡し方 一次保険者の名称・証券番号、一次の支払い情報 条件コード、発生コードなど
紙請求での添付書類 一次保険者のEOBの写し 一次保険者のRAまたはEOB

一次保険者の支払いが遅い場合の条件付き支払い

他の保険者に支払い責任があるものの、通常120日以内の迅速な支払いが見込めず、実際に120日が経過した場合には、Medicareに条件付き支払いを要請できます。条件付き支払いとして支払われた金額は、その後に一次保険者の支払いが行われると、回収される可能性があります。

二種類の請求書類を並べて比較する様子

ここで重要なのは、120日はあくまで条件付き支払いに関する基準であって、すべてのMSP請求で120日待つ必要があるという意味ではないことです。通常の二次請求とは区別して考えてください。

また、事故や労災に関連する請求は該当する保険者へ先に提出する必要があります。雇用主団体保険が優先される場合も、その保険者へ先に請求する例外が案内されています。

提出期限と請求後の確認

二次請求にも、通常のMedicare請求と同じ適時提出の規定が適用されます。FCSOの案内では、保険情報を誤って把握していたことは、提出期限の延長の理由にならないとされています。具体的な期限は担当のMedicare契約機関の案内で確認してください。

支払い遅延の経過を管理する書類と日程

Medicareが二次支払者として処理した後、患者に請求できる金額は、Medicareの送金通知(remittance advice)に案内されます。患者への請求は、この通知を確認してから行ってください。

請求前の最終チェックは次のとおりです。

送金通知を確認して請求後の処理を行う様子
  • Medicareが二次であることを、保険の種類や状況に照らして確認したか
  • 一次保険者に先に請求し、EOBを受け取ったか
  • Medicareへの請求額は、一次保険者への請求額と同じか
  • EOBに必要な記載事項が揃っているか
  • 一次保険者が複数なら、各EOBを用意したか
  • Part AかPart Bかに応じた請求書式と入力方法を選んだか

よくある質問(FAQ)

Medicareが二次かどうかは、どう確認しますか?

診療時に、本人・配偶者・家族の雇用主団体保険、労災、自動車保険、賠償責任保険などの有無を患者に確認します。他の保険があるだけでは二次とは限らないため、年齢、障害、ESRD、雇用状況、保険の種類も踏まえて順位を判断します。

一次保険者が拒否した場合はどうなりますか?

EOBには、拒否や支払いのコードの説明が必要とされています。それ以上の具体的な手順は状況により異なるため、担当のMedicare契約機関に確認してください。

請求手順について同僚と相談する医療事務スタッフ

残額だけをMedicareに請求してもよいですか?

FCSOの案内では、Medicareへの請求額は一次保険者に請求した額と同額にします。残額のみを別に請求する方法は、この案内とは異なります。

120日待たなければなりませんか?

いいえ。120日は条件付き支払いを要請する場合の基準で、通常の二次請求の待機期間ではありません。

患者に請求できる金額はどこで分かりますか?

Medicareの送金通知(remittance advice)に案内されます。

手順や要件は更新されることがあります。実際に請求する前に、担当のMedicare契約機関とCMSの公式ページで最新の案内を確認してください。

CMSの公式ページで請求者の責任を確認する

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